ドイツのセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズ(旧ハイデルベルクセメント)は28日、米同業ジャイアント・セメント・ホールディングを買収することで合意したと発表した。建設市場の拡大が見込まれる米国で事業基盤を強化する。買収額は約6億ドルで、当局の承認などを経て2025年第1四半期(1~3月)の取引完了を見込む。
ジャイアント・セメントはスペインの建設大手FCCから分社化したインモセメントの傘下で、米国の東海岸を中心に事業展開する。サウスカロライナ州ハーレービルに年産能力80万トンのセメント工場があるほか、同州とジョージア州にセメントの物流施設と輸入ターミナルを保有。また、代替燃料のリサイクル事業も行う。
ハイデルベルクは今回の取引により、米事業の強化だけでなく、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現や脱炭素化にも貢献できると説明。同時に、買収によるシナジー効果で初年度にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が6,000万ドル近く拡大するとの見通しを示している。
ハイデルベルクは21年、米西部のセメント工場3カ所を計23億ドルで売却した。しかし、最近は米国事業の拡大に動いており、今年第3四半期には骨材やアスファルトを手がける米企業3社を相次いで買収している。
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