中銀のドイツ連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁は25日、欧州中央銀行(ECB)は利下げを急ぎ過ぎるべきではないとの考えを示した。インフレ率はECBが目標とする2%に落ち着きつつあるものの、依然としてインフレ見通しのリスクはあるとしている。
同氏はこの日の演説で、「サービス業でのインフレが徐々に減速し、賃金の上昇圧力も弱まっていることから、インフレ率が持続的に2%に低下する時が近づいている」と指摘。ただ、賃金の予想以上の伸びやコアインフレ率の高止まりといったリスクに加え、米国のトランプ新政権の貿易政策がユーロ圏のインフレ加速を招く恐れもあることから、「慎重な姿勢を維持し、金融緩和は急ぎ過ぎず段階的に行うことが重要だ」としている。
ECBは9月と10月に2会合連続で0.25ポイントの利下げを実施。ブルームバーグによると、市場は12月の政策理事会で追加利下げが行われると予想している。ただ、ユーロ圏20カ国の10月のインフレ率は2%と、9月の1.7%から加速。11月にはさらに2.3%に加速するとみられている。
ナーゲル氏はドイツ経済については、「2年半にわたり続く不振の時期を抜け出せずにいる」と指摘。第4四半期(10~12月)もゼロ成長が予想されることから、通年では成長率がマイナスとなり、他のユーロ圏諸国を下回ると予想している。
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