ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は19日、北米事業の最高経営責任者(CEO)に米国の新興電気自動車(EV)メーカー、リビアン(Rivian)・オートモーティブのケル・グルーナー最高商務責任者(COO)を迎え入れると発表した。現職のパブロ・ディ・シ氏の辞職を受けた動きで、12月12日付で就任する。
グルーナー氏はVWの高級スポーツカー部門ポルシェやドイツの自動車大手メルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)での要職を経て、2010年にポルシェのCOOに抜てきされた。20年からはポルシェの北米事業のCEOを務め、23年9月にリビアンに引き抜かれている。
VWとリビアンは、次世代EVや車載用ソフトウエア開発に向けて折半出資の合弁会社を設立する予定で、VWはリビアンに8億ドルの追加出資を行うことを決めている。VWは27年に、リビアンの技術とソフトウエアを搭載する最初のモデルを市場投入する計画だ。
VWは中国での販売不振を受け、北米事業の再強化を進めている。30年までに、中核ブランドの世界販売に占める北米市場の割合を現行の10%から20%に引き上げる考え。ただ、米国の次期大統領に就任するトランプ氏は輸入車に追加関税を課す方針を示しており、EV需要の今後の動向も不透明な中で、先行きには暗雲が漂っている。[労務]
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