英中銀イングランド銀行は7日、前日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.25ポイント引き下げ4.75%とすることを決めたと発表した。インフレ率が引き続き低下しているためで、利下げは大方の予想通り。ただ、来年度予算案の影響によるインフレの再加速が見込まれることもあり、今後の利下げは緩やかなペースになるとしている。
議事録によると、金利据え置きは金融政策委員9人のうちベイリー総裁を含む8人が支持し、1人は5%での据え置きを主張した。
ベイリー総裁は、「インフレ率を目標値前後で維持する必要があるため、利下げのペースや幅が行き過ぎることがあってはならない」とした上で、「経済が予想通りに進展すれば、段階的に金利を引き下げていく」と説明した。
9月のインフレ率は1.7%と、前月の2.2%から減速し、中銀が目標とする2%を約3年半ぶりに割り込んだ。ただ、来年度予算案が向こう約2年でインフレ率を0.5ポイント近く押し上げるため、持続的に目標値前後に落ち着くのは従来の見通しより1年遅くなると予想。エネルギー価格のベースライン効果もあり、インフレ率は今年末には約2.5%に上昇し、来年末までに2.7%でピークに達した後、26年末までに目標値を下回るとみている。
政府が10月末に発表した予算案は、増税と借り入れ拡大により支出を増やす内容だった。中銀はこれが来年の国内総生産(GDP)を約0.75ポイント押し上げると予想。一方で、供給過剰の解消による間接的影響や、バス料金の上限引き上げや私立学校の授業料への付加価値税(VAT)導入といった各種措置の直接的影響により、インフレが再加速するとみている。
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