中銀のドイツ連邦銀行は24日に発表した10月の月報で、ドイツ経済が第3四半期(7~9月)にやや縮小し、緩やかなリセッション(景気後退)となるとの見方を示した。第4四半期も停滞が続くと予想するが、深刻なリセッションに陥る恐れはないとの見通しを維持している。
ドイツの国内総生産(GDP)は第2四半期に0.1%縮小している。第3四半期も縮小なら2四半期連続でのマイナスとなり、リセッションの定義に当てはまる。連銀は、ドイツ経済は2022年半ば以降の低迷をまだ抜け出せずにおり、第4四半期もほぼ横ばいが続くと予想。ただ、「大規模で広範かつ長期的なリセッションには至らない」との見方をあらためて示した。
連銀は国内経済の現状について、鉱工業と建設業がいずれも不振で、企業の投資意欲も減退していると指摘。また個人消費については、「賃金がインフレ率を上回るペースで大幅に伸び、実質所得は増加しているものの、消費者はこれを支出に振り向けることを躊躇(ちゅうちょ)している」と分析している。
経済の縮小にもかかわらず賃金が堅調に伸び続けている背景には、特にサービス業で労働力が不足していることや、労働者が高インフレで落ちこんだ生活水準の挽回を求めていることがあるとみる。1~8月に妥結した集団賃金交渉では、賃金が前年同期と比べて6.2%上昇しているという。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。