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高速鉄道HS2を直接管理 英政府「効率よく計画実現」

英政府は20日、イングランド北部とロンドンを結ぶ高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」計画について、政府がプロジェクトを直接的に管理する方針を明らかにした。総工費が当初想定の2倍に膨らんでいるほか、一部区間が敷設撤回となるなど、計画は大幅に遅延。与党・労働党は7月の政権交代直後から抜本的な事業の見直しを進めている。

HS2計画は今後、ヘイグ運輸相と同省鉄道担当のヘンディー閣外相の監督下に置かれ、政府が直接管理する。ヘイグ氏は「計画のコストが制御不能な水準に膨れ上がっていることは以前から明らかだった」と指摘。財務省と定期的に会議の場を設け、効率よく計画を実現できるよう障害を取り除くと意気込んだ。

ヘイグ氏はこの日改めて、計画の第2期区間であるバーミンガム―マンチェスター区間を復活させることはないと明言。すでに工事が進んでいる第1期区間のロンドン―バーミンガム間に注力し、徹底的なコスト削減に取り組む方針を示している。

なお、ロンドン側の終着駅はオールドオークコモン駅とされているが、ヘイグ氏は中心部のユーストン駅まで延伸する案を示唆しており、10月中にもこの計画を正式に発表する可能性がある。

HS2は、2012年の閣議決定時点ではロンドン―バーミンガムを結ぶ第1期区間に加え、第2期区間ではバーミンガムとマンチェスターを結ぶ西側ルート、バーミンガムとリーズを結ぶ東側ルートが計画されていた。ただ、21年11月に東側ルートが撤回され、23年10月には西側ルートも中止となった。

総工費は当初の327億ポンドから、第1期区間だけで最大670億ポンドに上ると見込まれている。同区間の建設には現段階で225億ポンドが投入されているほか、中止になった第2期区間にもすでに20億ポンド以上が費やされていた。オールドオークコモン―バーミンガム区間の運行開始は29~33年の予定となっている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 運輸マクロ・統計・その他経済政治

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