欧州中央銀行(ECB)は17日に開いた政策理事会で、ユーロ圏の中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ、3.25%とすることを決めた。9月のインフレ率が目標値の2%を下回ったことを受け、2会合連続、今年3度目となる利下げに踏み切った。市場では景気減速の懸念も強まっており、経済を下支えする方針だ。
主要リファイナンス・オペ金利と限界貸出ファシリティー金利も0.25ポイント引き下げられ、それぞれ3.4%、3.65%となっている。
ECBは声明で、「インフレに関する最新の情報は、ディスインフレのプロセスが順調に進んでいることを証明している」と説明。一方で、ドイツ経済が今年はマイナス成長になると予想されるなど、ユーロ圏の景気後退リスクが高まっていることから、高インフレ対策から経済下支えにかじを切った格好だ。
ラガルド総裁は今回の決定について、「インフレ率が目標値に収まることを確実にするという決意だ」と説明した。経済成長の見通しについては、「依然として下向き」だと指摘。ロシアのウクライナ侵攻や中東地域での紛争など、地政学的リスクにより影響が拡大する可能性もあり、エネルギー供給や世界貿易が混乱に陥る懸念もあるとしている。
ユーロ圏の9月のインフレ率は1.7%と、前月から0.5ポイント減速。ECBが目標とする2%を約3年ぶりに下回った。同行は、今後数カ月は再びインフレ率が上昇するとみるが、来年中には目標値に低下すると予想している。
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