独出版大手アクセル・シュプリンガーは19日、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)およびカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)と事業分割で合意したと発表した。クラシファイド広告事業を切り離し、この過半数株をKKRとCPPIBに売却する。一方、KKRとCPPIBは、ニュースメディアを主体とする残りの事業から出資を引き揚げる取り決めだ。
取引額は明らかにされていないが、ブルームバーグは情報筋の話として、アクセル・シュプリンガーの企業価値を135億ユーロと見積もった水準と報じている。このうち100億ユーロ超はクラシファイド広告事業という。同事業には、不動産ポータルサイトを手がけるアビブ(Aviv)・グループや金融ポータルサイト「finanzen.net」、人材プラットフォーム運営のステップストーン・グループなどが含まれる。
取引は2025年第2四半期(4~6月)の完了を見込む。KKRはその後、クラシファイド広告事業の新規株式公開(IPO)を目指すとみられている。
KKRはアクセル・シュプリンガーの筆頭株主で、株式35.6%を保有する。CPPIBの出資比率は12.9%で、両社が半分近くを握っている格好だ。このほかでは、アクセル・シュプリンガーのマティアス・デップナー最高経営責任者(CEO)が22.5%、同社の創業者の未亡人フリーデ・シュプリンガー氏が21.9%をそれぞれ出資する。
アクセル・シュプリンガーのニュース事業は、ウェルトやビルトなどドイツの主要紙、米政治専門メディアのポリティコ、米ビジネスインサイダーなどから成る。事業分割後のニュースメディアの新会社は、98%近くをデップナーCEOとシュプリンガー氏が握り、残りの少数株は創業者一族が保有することになる。
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