アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の肥料会社ファーティグローブ(Fertiglobe)は28日、欧州連合(EU)向けのグリーンアンモニア供給を巡り、3億9,700万ユーロ規模の契約を正式締結した。初年度の2027年は1万9,500トンの供給を予定しており、最終年の33年には累計39万7,000トンまで拡大する計画だ。
このプロジェクトは、グリーン水素製品の輸入を目的とするドイツの入札プログラム「H2グローバル」の枠組み内で実施される。ファーティグローブは7月の入札で、経済・気候保護省から同契約を獲得していた。
H2グローバルはドイツをはじめとする欧州各国のグリーン水素・アンモニア調達において、需要と供給の双方の価格差に対する支援を手がける。今回の契約は、ファーティグローブとH2グローバル財団の子会社ヒントコ(Hintco)により締結された。
グリーンアンモニアは、紅海沿岸アイン・スクナ(Ain Sokhna)のグリーン水素プラントから供給される。ファーティグローブはエジプトで、同国の建設大手オラスコム(Orascom)・コンストラクションなどを含むコンソーシアムを通じて同事業を展開。コンソーシアムには、太陽光発電施設の建設・運営を手がけるノルウェーのスカテック(Scatec)、肥料や化学品の製造・販売を手がけるオランダのOCI、エジプト政府系基金(TSFE)などが参画する。
ファーティグローブはこの事業について、欧州のグリーンアンモニア市場の拡大に向けた重要な一歩だとコメント。域内のエネルギー産業の脱炭素化を推進する上で大きな役割を果たすと意気込んでいる。[環境ニュース]
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