広告で世界最大手の英WPPグループは7日、米国の財務関連PR会社FGSグローバルの株式50%強を、米国の投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に7億7,500万ドルで売却することで合意したと発表した。売却益は債務の返済に充てる。
KKRは既にFGSの少数株を保有する。取引額はFGSの企業価値を17億ドルと評価した水準となる。
WPPのマーク・リード最高経営責任者(CEO)は、この取引により「WPPの財務基盤を強化し、中核であるクリエーティブ事業に専念できる」とコメントしている。
FGSは2021年、WPPが傘下のPR子会社フィンズベリー(英国)、グローバー・パーク・グループ(米国)、ヘリング・シュッペナー(ドイツ)の3社を統合して設立。世界約30カ所に拠点を構え、1,600件超の顧客を抱える。23年通期の売上高は約4億6,500万ドル、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は約9,000万ドルだった。
なお、WPPがこの日に公表した上半期(1~6月)の事業利益(特別損益除く)は6億4,600万ポンドで、前年同期比3%減少した。売上高(下請け発注分除く)は継続事業・恒常為替レートベースで1%減の55億9,900万ポンド。通期については、売上高が前期比で実質1%減から横ばいになるとし、従来予想の0~1%増から下方修正した。
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