ドイツのタイヤ・自動車部品大手コンチネンタルは5日、自動車部門のスピンオフ(事業の分離・独立)に向けた検討を進めていると明らかにした。独立会社とすることで機動力を高める狙いで、第4四半期(10~12月)に最終判断を下す方針。その後、2025年の年次株主総会で承認されれば、同年末までにフランクフルト証券取引所に上場する計画だ。
コンチネンタルは自動車部門、タイヤ部門、コンチテック部門の3部門から成る。自動車部門はブレーキやセンサー、ディスプレー、内装部品などを手がけるほか、運転支援システムなど自動運転車向けの製品やソフトウエア開発にも参入している。従業員数は約10万人で、昨年の売上高は約203億ユーロだった。
一方、タイヤ部門とコンチテック部門の従業員数は合わせて10万人で、売上高はタイヤ部門が140億ユーロ、コンチテック部門が68億ユーロ。自動車部門を分社化すると、コンチネンタルは2分割される格好となる。
ニコライ・セッツァー最高経営責任者(CEO)は今回、「各部門を成功に導くため、それぞれの市場における位置付けを体系的に分析している」と説明。自動車部品部門では、地域ごとに異なる需要への細やかな対応とソフトウエアを中心とした技術変革の重要性が増しており、より柔軟な運営体制に移行することが必要との見方を示した。
コンチネンタルは25年までに年間4億ユーロのコスト削減を目指しており、経営の合理化を進めている。自動車部品部門ではドイツ西部ヘッセン州の2拠点を25年に閉鎖することが決まっており、1,200人が整理される。[労務]
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