ドイツのエネルギー企業シーメンスエナジーは25日、電力大手EWEから容量280メガワットのグリーン水素電解槽を受注したと発表した。北西部エムデン(Emden)に建設し、2027年の稼働開始を目指す。欧州最大級の電解槽となる予定だ。
今回の受注は、独政府が水素インフラの整備に向けたプロジェクトに46億ユーロの補助金を交付すると発表したのを受けたもの。このプロジェクトは、欧州連合(EU)の「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」に選ばれている。
シーメンスエナジーが建設する電解槽は、4つのサブプロジェクトから成るEWEの大規模水素プロジェクトの中核をなす。稼働すれば年間最大2万6,000トンのグリーン水素を地域の産業向けに供給する。化石燃料に代わって使われれば、鉄鋼業では年間約80万トンの二酸化炭素(CO2)の排出を削減できる。
EWEは4つのプロジェクトで合わせて5億ユーロの補助金を受け取ったが、シーメンスエナジーとの契約額は明らかにしていない。シーメンスは電解槽の供給に加えて、10年間のサービス契約も結ぶことでも合意している。
シーメンスエナジーの電解槽はプロトン交換膜(PEM)技術に基づくもので、起動時間が柔軟なため再生可能エネルギーでの運転に適している。電解槽のスタックは自社のベルリン工場で製造される。[環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。