英国の消費財大手レキットベンキーザーは24日、家庭用品の主要ブランドを売却すると明らかにした。手放すのは芳香剤「エアーウィック(Air Wick)」、清掃用洗剤「チリットバン(Cillit Bang)」、硬水軟化剤「カルゴン(Calgon)」などで、昨年の売上高は合わせて約19億ポンドに上る。今後は成長が見込まれるヘルスケア・衛生用品事業に注力すると同時に、組織の簡素化に向けたリストラを進め、2025年から新体制での事業展開を目指す。
レキットは米国の粉ミルク大手ミード・ジョンソン・ニュートリションについても、あらゆる手段を検討する方針を示した。レキットは17年にミード・ジョンソンを傘下に収めたが、同社は現在、米国で製品を巡る訴訟を抱えており、株主から事業売却を迫られていた。なお、ミード・ジョンソンの中国部門は21年に現地企業に売却している。
一方、薬用のど飴「ストレップシルズ(Strepsils)」や胃薬「ガビスコン(Gaviscon)」、避妊具「デュレックス」などは成長ブランドと位置付け、注力していく。
リストラについては、管理職を減らして組織を再編し、固定費を削減する。リストラ費用は約10億ポンドを見込む。
■上半期は5.6%減益
レキットが24日発表した上半期(1~6月)決算は純利益が11億4,400万ポンドとなり、前年同期から8.6%減少した。売上高は3.7%減の71億6,700万ポンド。健康部門は4.3%、栄養部門は11.4%、それぞれ落ち込んだが、衛生部門は横ばいだった。同社はこれを受け、通期の売上高見通しを従来の2~4%の増収から1~3%の増収に引き下げている。[労務]
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