• 印刷する

中国製バイオ燃料に追加関税 欧州委、不当廉売防止で暫定措置

欧州委員会は、中国製のバイオディーゼル燃料に12.8~36.4%の追加関税を課す方針を固めた。ダンピング(不当廉売)防止に向けた暫定措置で、8月中旬に導入する。欧州のバイオディーゼル生産者の業界団体である欧州バイオディーゼル委員会(EBB)が19日、発表した。EBBはダンピングの疑いについて、欧州委に申し立てていた。

追加関税の対象となるのは、中国から欧州連合(EU)域内に輸入される水素化植物油(HVO)と脂肪酸メチルエステル(FAME)。持続可能な航空燃料(SAF)は対象外となっている。

ロイター通信によると、課税率は製造企業によって異なり、怡斯莱(エコセレス)は12.8%、卓越(Zhuoyue)は25.4%、嘉澳(Jiaao)は36.4%などとなっている。

欧州委は、EBBから中国製バイオディーゼルにダンピングの疑いがあるとの申し立てを受け、2023年12月に調査を開始していた。調査は来年2月まで続く予定で、その時点で5年間の追加関税率が正式に確定する可能性がある。

EBBによると、EUでは中国製バイオディーゼルの大量流入により、域内生産が打撃を受けている。中国は昨年、バイオディーゼル輸出の90%に当たる180万トンをEUに輸出。一方で、米国の低炭素燃料製造シェブロン・リニューアブル・エナジーは、ドイツの従業員を一時帰休とし、英国の石油大手シェルと同業BPは、それぞれオランダとドイツでのバイオ燃料工場建設計画を停止。英国のバイオディーゼル製造アージェント(Argent)・エナジーは精製施設を閉鎖したという。[環境ニュース][EU規則]


関連国・地域: 英国ドイツEUオランダアジア米国
関連業種: 化学マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

英EU関係の新たな第1歩 <連載コラム・欧州経済の潮流を読む> 第70回(06/20)

テレコムなど共同参画は決裂 AIギガファクトリー建設構想(06/20)

ユーロ圏建設業生産、4月は1.7%増加(06/20)

宇宙開発OHB、重力波観測でESAと契約(06/20)

ルーマニアのエアフィルター社、新工場建設(06/19)

【ウイークリー統計】第192回 EU企業、5割超がオンライン会議実施(06/19)

EU理事会、廃車リサイクル規則案で合意(06/19)

欧州委、証券化規制の見直しを提案(06/19)

欧州委、中国アリエクスプレスに違法判断(06/19)

欧州委、防衛企業の合併規制緩和を提案(06/19)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン