欧州委員会は4日、中国製電気自動車(EV)に課す追加関税の暫定措置を5日から導入すると発表した。税率は最高で37.6%。最長4カ月間の措置で、この間に最終的な関税を決定する。ただ、中国政府とは引き続き協議を進める方針を示している。
欧州委は昨年10月初め、中国製EVを対象に欧州連合(EU)国家補助法に基づく調査を開始。これにより、中国のEVバリューチェーンは不当な補助金を受け、それがEUのEV生産者に経済的損害の脅威をもたらしているとの結論を下した。調査では、導入する措置が輸入業者や消費者に及ぼす影響も調べた。
EUは、域外製のEVに10%の関税を課している。5日からはBYD(比亜迪)に17.4%、浙江吉利控股集団(吉利集団)に19.9%、上海汽車集団(SAIC)に37.6%の関税を課す。その他のメーカーは調査に協力していた場合は平均20.8%、協力していなかった場合は37.6%となる。対象企業から得た情報に基づき、6月に公表した税率からやや引き下げた。
欧州委は最終的な関税を定めた措置を加盟各国に提示し、各国の投票により決定する。最終決定は暫定措置の発動から4カ月以内に行われ、有効期間は5年間だが、見直しにより延長もできる。
EUと中国政府は、EUが提起した懸念に適切に対応するとともに、世界貿易機関(WTO)の規定に準拠する解決策を見据えた協議を進めているという。欧州委は「交渉の結果は不当な補助金に対処するものでなければならない」と述べている。[EU規制][環境ニュース]
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