英国の製造業界は次期政権に対し、産業戦略と欧州連合(EU)との貿易関係の再構築を望んでいる――。業界団体メークUK(旧英国製造業者連盟)の第2四半期(4~6月)業況調査でこうした実態が明らかになった。7月4日の総選挙で勝利が確実視される最大野党・労働党は、産業政策委員会の創設と産業ニーズに基づいた貿易政策の策定を公約に掲げている。
調査は5月、300社超を対象に行われた。このうち次期政権に求める優先事項として、69%が「信用できる産業戦略を政府が打ち出すこと」、54%が「EUとの貿易関係の強化」を挙げた。政府が製造業の産業戦略を打ち出したのは2017年が最後。21年にはインフラ整備や技能育成、貿易、炭素排出など産業色の薄い経済成長政策を発表している。
調査では、受注や雇用の状況についても尋ねている。過去3カ月で受注が増加した企業と減少した企業の差し引きの割合は、輸出向けがプラス10%で、国内向け(2%)を上回った。経済成長が国外のサプライチェーン(供給網)頼みであることが改めて示された格好だ。ただ、次の3カ月の見通しでは、受注が増加した企業と減少した企業の差し引きの割合は、国内向けが25%となり、国外向け(24%)を上回るとみている。
企業景況感は過去10年で最高水準に達しており、企業は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)後の低迷期からようやく脱却しつつある。新規雇用の意欲も、第2四半期はプラス8%、次の3カ月では26%に大幅に上昇する見通し。予想される需要拡大と経済見通しの改善に備え、企業が採用を拡大する方針であることが示された。
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