英中銀イングランド銀行は9日、前日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。大方の予想通り、6会合連続での据え置きとなった。インフレ率は中銀目標の2%に近づいているが、ベイリー総裁は「心強いが、まだ利下げ可能な段階には至っていない」と説明した。
議事録によると、今回のMPCでは金融政策委員9人のうち7人が据え置きを支持した。残る2人は0.25ポイントの利下げを主張した。3月の前回会合では、利下げを支持したのは1人のみだった。中銀は、地政学的要因が短期的な物価見通しに上昇リスクを与えていると指摘した。一方で、インフレの持続性を示す主要指標は依然として高水準だが、鈍化傾向にあるとの認識を示した。
ロイター通信によると、ベイリー総裁は記者会見で、6月会合で利下げに踏み切るかどうかは、「インフレ率と労働市場の指標を見て判断することになる」と語り、「利下げの可能性は排除しないが、決定事項でもない」と述べるにとどめた。
3月のインフレ率は3.2%と、2月の3.4%から減速。中銀はインフレ率は第2四半期(4~6月)には一時的に2%近辺に低下するものの、今年後半には2.5%程度まで再び上昇すると予想している。
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