英国の高等法院は2日、米国の配車サービス大手ウーバーに対する集団訴訟の訴状を受理した。ロンドンの名物タクシー「ブラックキャブ」の運転手1万877人が訴えを起こしたもので、ウーバーの過去の営業ライセンス違反を理由に総額2億5,000万ポンドを超える賠償を求めている。
訴状によると、ウーバーはプライベートハイヤーと呼ばれる、事前に予約を受けてからサービスを提供する営業免許を保有していた。しかし、2012年5月から少なくとも18年3月までの期間、ロンドンでこのライセンスが規定する予約に関する要件を満たさずにサービスを提供していたという。
原告は、ウーバーはこの間にロンドンで合法的に営業していたタクシー運転手全員に補償を行う必要があると主張。運転手1人当たり最大で2万5,000ポンドの賠償金を要求している。
ウーバーの広報担当者はこれに対し、原告の主張は「全く根拠がない」と一蹴。同社はロンドン交通局(TfL)から必要な営業免許を取得し、合法的に事業を展開していたと述べた。
TfLは17年、ウーバーが「企業責任を果たしておらず、公共の安全と秩序に影響が出ている」として、同社の営業免許の更新を拒否。ただ、ウーバーの異議申し立てが認められ、事業の継続が認められた。TfLは19年にも更新を見送る決断を下し、再び係争に発展。現行のライセンスは22年に発行されたもので、期間は2年半となっている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。