英国の金融大手HSBCホールディングスは9日、アルゼンチン事業を同国5位のグルーポ・フィナンシエロ・ガリシアに5億5,000万ドルで売却すると発表した。これに伴い、第1四半期(1~3月)に税引き前ベースで10億ドルの特別損失を計上した。
売却事業は、アルゼンチン国内の銀行業務、資産運用業務、保険業務から成る。特別損失に加えて、取引完了時に為替換算調整勘定の累積損失として49億ドルを計上する。通貨アルゼンチンペソが昨年末に切り下げられたことで、この損失は18億ドル増えている。ただし、普通株式等ティア1レシオ(自己資本比率)への影響は軽微という。取引は1年以内に完了する見込み。
HSBCのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は今回の取引について、「戦略を遂行する上で重要なステップであり、HSBCの国際的ネットワーク全体で、より価値の高い機会に経営資源を集中できるようになる」と説明。アルゼンチン事業は国内事業に特化しているため、業績をドル換算にした場合に大幅な利益変動をもたらしていた。
HSBCはここ数年、フランスやカナダ、ギリシャなど不採算市場から撤退する一方、中国やインドなどアジアへの注力を進めている。
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