英国の郵便大手ロイヤル・メールは3日、メディア・通信業界の監督機関Ofcomに事業再編計画を提出した。配達頻度の削減や日数の延長などで、年間3億ポンドのコスト削減を実現できるとしている。ロイヤル・メールの親会社インターナショナル・ディストリビューションズ・サービシズ(IDS)が明らかにした。
ロイヤル・メールは現在、全国に一律料金で郵便を配達する「ユニバーサルサービス」を提供している。Ofcomは1月、現状のままでは財政・運営の両面で将来的にサービスの維持が不可能になると指摘。配達を週3日に削減するなどの選択肢を提示し、同社に再編計画を提出するよう求めていた。
ロイヤル・メールは今回、速達に当たるファーストクラス以外の郵便配達を平日隔日の週3日に削減し、配達にかかる日数を現在の2日以内から3日に以内に延長するなどの案を提示した。これにより、今後1年半~2年で1日当たり最大9,000件の配達を減らし、1,000人弱の人員を整理できるとしている。
また、国民からの意見に応え、配達物に追跡機能を追加するなど、事業のデジタル化も進める方針だ。IDSのマーティン・サイデンバーグ最高経営責任者(CEO)は「ユニバーサルサービスを継続するには、サービスの内容を変える必要がある」と指摘。今回の提案は、英全土の国民の声に耳を傾けたもので、ニーズを満たすものになっていると話している。
ロイヤル・メールは2日から、ファーストクラスと通常郵便のセカンドクラスの料金を引き上げた。値上げはこの2年間で4回目。料金はそれぞれ10ペンス上がって、ファーストクラスは1.35ポンド、セカンドクラスは85ペンスとなった。[労務]
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