英蘭資本の消費財大手ユニリーバは14日、6月に発表した拠点再編に伴う約800人の削減計画を実行に移すことを発表した。3カ月の検討期間を経て正式に決定した。
同社は来年末までに、ウェールズ南部スウォンジー(Swansea)とイングランド中部スラウ(Slaugh)の工場を閉鎖する。また、ウェールズ南部ブリジェント(Bridgend)の物流センターに加え、2014年には同北部エウロイ(Ewloe)のIT(情報技術)センターも閉鎖する。
一方、同社はイングランド北西部ポートサンライト(Port Sunlight)の拠点に4,000万ポンドを投じ、新たに工場とITセンターを開設。エウロイの従業員400人を移管するほか、150人を新規雇用する。また、ウェールズ北部ディーサイド(Deeside)の第三者施設を新たに同工場の物流拠点とし、50人を採用する。エウロイの人員の一部はインド南部バンガロールのITセンターにも移管する予定。
この結果、最終的に全体で正社員約500人のほか、派遣社員や下請け業者など約300人が整理される見通し。多くの拠点が閉鎖されるウェールズでは経済的打撃を懸念する声が上がっている。ポートサンライトは19世紀後半にユニリーバ創始者が従業員のために開発した町。今回の拠点再編は歴史的ルーツへの回帰ともいえる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。