英中銀イングランド銀行は21日、前日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。大方の予想通り、5会合連続での据え置きとなった。一方、インフレが減速する中、市場では6月にも金融緩和に転じるとの見方が出ている。
議事録によると、今回のMPCでは金融政策委員9人のうち8人が据え置きを支持。1人は0.25ポイントの利下げを主張した。中銀は、インフレ圧力は弱まる傾向にあるが足取りがやや重いと説明。原因の一つとして、紅海における商船への攻撃を含む中東情勢の不安定化によるリスクを挙げている。
ベイリー総裁は「インフレ減速に向けたより確かな兆候が見られた」とした上で、金融緩和に踏み切るにはインフレ率が目標の2%まで下がり、中期的にこの水準で推移することを確認する必要があると説明。現時点では時期尚早だが、利下げに向けて正しい方向に進んでいると述べた。
2月のインフレ率は3.4%と、1月の4%から減速。中銀はインフレ率は第2四半期(4~6月)には一時的に2%以下に低下するものの、その後は再び上昇に転じると予想する。
英国経済は2023年第4四半期に2期連続のマイナス成長が確定し、リセッション(景気後退)入りした。中銀はこれについて、第1四半期の国内総生産(GDP)は0.1%拡大し、プラス成長を回復するとの見方を示している。
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