ドイツの鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップは19日、米国の投資会社カーライル・グループと共に、造船子会社ティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)のデューデリジェンス(資産の適正評価)を行うと発表した。カーライルにTKMSの株式を売却する可能性があるとしている。
ティッセンはTKMSを切り離す計画で、既に監査役会の承認を得ている。同社は今回、カーライルとの協議が進んでいるため事業評価を行うと説明。ただ、並行してドイツ政府との協議や新規株式公開(IPO)を含むその他の選択肢の検討も続ける方針を示した。
ロイター通信によると、TKMSの評価額は12億~16億ユーロで、ティッセンは株式25%前後の放出を計画しているとされる。
TKMSは世界有数の潜水艦メーカー。従業員数は約7,800人に上り、うち約3,100人はドイツ北部キール(Kiel)の造船所で働く。ロシアのウクライナ侵攻を受けた軍需拡大で業績は伸びており、ティッセンはこれを機に同事業を切り離すことで、本業の鉄鋼分野に集中したい考えだ。
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