ドイツの自動車大手メルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)は22日、2023年12月期のEBIT(利払い・税引き前利益)が196億6,000万ユーロとなり、前期比3.9%減少したと発表した。サプライチェーン(供給網)のコスト増が響いた。
EBITを部門別に見ると、主力の乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズは142億3,200万ユーロと、12.9%縮小。メルセデス・ベンツ・バンズは65.4%増の31億3,800万ユーロだった。金融サービス部門メルセデス・ベンツ・モビリティーは46.4%落ち込んでいる。
グループの売上高は2.1%増の1,532億1,800万ユーロ。販売台数を見ると、メルセデス・ベンツ・カーズは204万4,051台と0.2%増加した。メルセデス・ベンツ・バンズは7.8%増の44万7,790台だった。
メルセデス・ベンツは今年について、グループの売上高はほぼ横ばいとなるものの、フリーキャッシュフローは前年をやや下回ると予想。売上利益率(ROS)については、メルセデス・ベンツ・カーズが10~12%、メルセデス・ベンツ・バンズが12~14%にそれぞれ低下する見込み。
■今後10年はICEの更新継続
メルセデス・ベンツはこの日、電気自動車(EV)の販売台数の予想を引き下げるとともに、今後10年間は内燃エンジン(ICE)車の更新を続けると発表した。これまでは、プラグインハイブリッド車(PHV)を含むEVが販売台数全体の半分になるのは25年と予想していたが、これを30年までとした。EV需要の伸びが鈍化しているためで、今年のEVの販売台数は全体の19~21%にとどまるとの見通しを示した。
オラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)は、「ICE車の生産を続け、今後10年は技術を更新する準備が整っていることを顧客や投資家に知ってもらいたい」と述べている。[環境ニュース]
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