英国の金融大手HSBCホールディングスは21日、2023年12月期の税引き前利益が303億4,800万ドルとなり、前期比77.9%増加したと発表した。金利上昇が追い風となり、過去最高益を記録した。ただ、第4四半期(10~12月)で見ると、中国の銀行株下落による減損処理が響き、8割の減益となった。
税引き前利益を部門別に見ると、ウェルス&パーソナルバンキング部門は2.1倍に拡大。コマーシャルバンキング部門は76.4%増加した。投資銀行業務を含むグローバルバンキング&マーケッツ部門は26.3%増えた。
グループの業務粗利益は32.5%増の660億5,800万ドル。「バーゼル3」全面適用時の普通株式等ティア1レシオ(自己資本比率)は期末時点で14.8%と、1年前から0.6ポイント上昇した。
第4四半期では、税引き前利益が10億ドルと、前期比75.6%減少。中国の交通銀行の株価下落を受けた30億ドルの減損処理が響いた。
HSBCは今年について、有形株主資本利益率(RoTE)が10%台半ばになると予想。ティア1レシオは、中期目標とする14~14.5%の範囲になるとみている。
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