英国のスーパー大手セインズベリーは7日、2027年3月までの新戦略を発表した。今後3年間で10億ポンドのコストを削減し、株主への還元を拡大する計画を示した。食品販売を強化し競争力のある価格で提供することで、ドイツの格安スーパー大手アルディとリドルへの顧客の流出を食い止めることを狙う。
コスト削減では、配送や廃棄、補充の費用を減らすほか、自動化を拡大することで節減を進める。今年3月までの3年間では、13億ポンドの削減目標を掲げていた。株主への還元は、4月に始まる24/25年度から累進的配当により減配はせずに配当水準の維持または増配とし、同年度中に2億ポンドの自社株買い戻しを実施する。
新戦略では、食品部門の販売量拡大を目指す。また、ロイヤルティープログラムの強化と、傘下のカタログ販売アーゴスの販売額拡大も掲げる。設備投資は年8億~8億5,000万ポンドに増やす。フリーキャッシュフローは年5億ポンド以上とし、今後3年間で16億ポンド超を見込む。
サイモン・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は、「セインズベリーを次のレベルに引き上げて顧客と従業員に利益をもたらすことで、株主への利益還元も強化する」と述べている。
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