英中銀イングランド銀行は1日、1月31日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。大方の予想通り、4会合連続での据え置きとなった。当面は現行水準で金利を維持する姿勢で、早期の利下げ観測は遠のいたとの見方が出ている。
議事録によると、今回のMPCでは金融政策委員9人のうち6人が据え置きを支持。2人が5.5%への利上げを主張した一方、1人は逆に5%への利下げを唱えるなど意見が割れた。
中銀は、インフレ見通しを昨年11月時点から下方修正したものの、「インフレ率を中期的に目標の2%に戻すには制限的な金融政策を十分な期間続ける必要がある」として従来の姿勢を堅持した。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は金融緩和の可能性を示し始めたが、英中銀は国内の賃金の伸びがかなり高いため、長期的なインフレ圧力は他国とは異なると説明している。
ベイリー総裁は記者会見で、「インフレ圧力が利下げに十分なほど緩和されたという証拠が必要」と指摘した上で、「重要なのは現行金利をいつまで維持するかだ」と述べた。これは、市場が期待するほど早期には利下げを行わない可能性を示したものとみられる。
昨年12月のインフレ率は4%。中銀は第2四半期(4~6月)には一時的に2%まで低下するものの、その後は再び上昇に転じると予想する。年末には2.75%、2年後は2.3%と引き続き目標を上回り、3年後に1.9%まで低下するとしている。
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