英国のメディア・通信業界の監督機関Ofcomは24日、郵便大手ロイヤル・メールの郵便サービスを将来的に存続させるための改革を提案し、配達を週3日に削減するといった選択肢を示した。これを機に一般からの意見を募るなど、国民的な議論を呼びかける。
Ofcomは、書簡の量が半減し小包配達が増える中で、全国に一律料金で郵便を配達する「ユニバーサルサービス」が、現在のままでは財政面でも運営面でも将来的に維持できなくなると指摘。このため、週6日の配達を5日または3日に削減するほか、速達に当たるファーストクラス、通常郵便のセカンドクラス、ビジネス向け郵便を変更し、ほとんどの書簡の配達にかかる日数を最長で3日かそれ以上とし、緊急の書簡には翌日配達サービスを設ける改革案を示した。
これによるコスト削減効果は、配達日を週5日にした場合で1億~2億ポンド、週3日では4億~6億5,000万ポンドと、大半の書簡を3日程度で配達する場合に1億5,000万~6億5,000万ポンドと試算している。
Ofcomのメラニー・ドーズ最高経営責任者(CEO)は、「ユニバーサルサービスは時代遅れになりつつあり、対策を講じなければ持続不可能になる」と指摘。ロイヤル・メールのマーティン・サイデンバーグCEOも「70億通しか配達していないのに200億通のために構築したネットワークは維持できない」と述べている。
Ofcomはこの提案に対する意見を4月3日まで公募し、数カ月以内に改革の選択肢を議論するイベントを開催する。その上で、今夏には新たな提案を行う予定だ。
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