スペイン政府は、原子力発電所を2035年までに段階的に閉鎖することを閣議決定した。原子炉の解体とこれに伴う使用済み核燃料、放射性廃棄物の管理費用として、総額202億2,000万ユーロを見込んでいる。
スペインには7基の原子炉があり、発電容量は計7.1ギガワット。国内の電力消費量の5分の1を賄っている。計画では、27年11月に最初の原子炉を閉鎖し、35年までに順次閉鎖していく。政府は19年に、電力大手のイベルドローラ、エンデサ、ナトゥルジー(Naturgy)の3社と脱原発で暫定的に合意していた。
各原子炉は運転停止から3年後に解体を始める。使用済み核燃料と放射性廃棄物については、各原発の敷地内に一時的な貯蔵施設を7カ所設ける。50年以内に深地層処分の最終施設を設置し、ここに各貯蔵施設から移送することを決めている。
政府が06年に提示した計画では、21年から27年に原発を閉鎖することを想定していた。昨年7月の総選挙では原発の閉鎖が争点の一つとなり、最大野党の中道右派・国民党(PP)は閉鎖の計画を撤回することを訴えていた。
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