英国のフレイザー文化・メディア・スポーツ相は、英日刊紙デーリー・テレグラフを発行するテレグラフ・メディア・グループ(TMG)の売却計画に介入すると発表した。アラブ首長国連邦(UAE)のマンスール副大統領兼副首相兼大統領官房相が出資する投資会社レッドバードIMIによる買収について、公共の利益を損なう懸念があるとして調査を要請した。
TMGを保有するのは英資産家バークレー一族の持ち株会社で、時事問題を扱う週刊誌スペクテーターも保有する。だが、英金融大手ロイズ・バンキング・グループから受けた10億ポンドを超える融資の返済が滞ったことから、ロイズは持ち株会社を管財人の管理下に置いてTMGとスペクテーターの売却準備を進めてきた。
レッドバードIMIは、バークレー一族にロイズへの返済に充てるための12億ポンドを融資することで合意。うち6億ポンド相当をTMGとスペクテーターの株式に転換する方針だ。バークレー一族は5日、ロイズに借り受けた資金を返済した。
この取引の調査は、英競争・市場局(CMA)とメディア・通信業界の監督機関Ofcomが担当。来年1月26日までに結果を報告する。
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