スペイン下院(定数350)は16日、サンチェス暫定首相の再任を巡る投票を行い、179対171の賛成多数で信任を決めた。7月の総選挙から4カ月近くを経て、ようやく新政権樹立の運びとなった。同氏は今後、組閣に取り組む。
信任投票では、サンチェス氏率いる中道左派の社会労働党(PSOE)と連立相手で急進左派連合の新党スマール(Sumar)に加え、複数の地域政党が賛成票を投じた。北東部カタルーニャ自治州の独立を目指すカタルーニャ共和主義左翼(ERC)とジュンツ・パル・カタルーニャ(ジュンツ)、バスク民族主義党(PNV)などが、同氏の支持に回っている。
ただ、サンチェス氏はジュンツからの支持獲得に向け、カタルーニャ自治州独立派の政治家や活動家の恩赦に関する法案を議会に提出すると約束しており、最大野党の中道右派・国民党(PP)など野党各党はこれに猛反対している。中でも、ジュンツの結成者で2017年に同州の独立の是非を問う国民投票を強行して罷免されたプチデモン氏の恩赦に対する反発は強く、全国で大規模な抗議デモが展開されている。
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