デンマークの海運大手APモラー・マースクは3日、従業員1万人以上を整理すると明らかにした。海運需要の低迷や競争激化で業績が悪化していることを受けた措置。人員削減に伴うコストは3億5,000万ドルを見込む。
同社は年初から既に約6,500人を削減しており、年内に追加で最大2,500人、来年にはさらに1,000人以上を整理する。これにより、グループの総従業員数は10万人未満まで減る見通しだ。
マースクは人件費以外の事業コストも抑制していく方針で、2024年に年間6億ドルのコスト削減を目指す。また、今年と来年は設備投資を縮小し、利益の確保に努めるとしている。
■第3四半期は94%減益
マースクがこの日発表した第3四半期(7~9月)の純利益(特別損益除く)は4億8,900万ドルとなり、前年同期から94.4%減少した。売上高は46.7%減の121億2,900万ドル。EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は82.5%減の19億700万ドルだった。
同社は、業績不振の背景にはコロナ禍から続いたサプライチェーン(供給網)の混乱が落ち着いた一方で、世界的なインフレ加速によるコストベースの圧力があると説明。通期のEBITDAについては、95億~110億ドルとした従来見通しの下限になるとの見方を示した。[労務]
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