英中銀イングランド銀行は2日、1日に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。インフレ率が減速し、国内経済が伸び悩む中、大方の予想通り2会合連続での据え置きとなった。ただ、金利は今後も長期的に高水準に保つ必要があるとの見方を示している。
議事録によると、金融政策委員9人のうち6人が据え置きを支持。3人は5.5%への利上げを主張した。
中銀は物価高騰を背景に、2021年12月から14会合連続で利上げを実施したが、9月にはインフレ率の減速を受け利上げサイクルの終了に踏み切っていた。
中銀は今回、「制限的な金融政策を長期にわたり続ける必要がある」と、当面は利下げを実施しない姿勢を示した。「インフレ圧力が予想より長引く証拠が見られれば、さらなる金融引き締めが必要となる」とも言及し、利上げの可能性にも触れた。
9月のインフレ率は8月から横ばいの6.7%だった。中銀目標の2%はなお上回っており、伸びが減速するとの市場予想を裏切ったことを受け、再度の利上げを予想する声も出ていた。中銀はこれについて、9月のインフレ率は同行の従来予想を下回っていると指摘し、今後は急速に減速するとの見方を示した。
中銀は、インフレ率が第4四半期(10~12月)に4.75%、来年第1四半期には4.25%に減速し、第2四半期には3.75%にまで低下するとみている。
国内経済については、今年第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)はゼロ成長になるとし、0.1%増との前回予想から下方修正した。第4四半期の成長率も0.1%にとどまると予想している。
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