ロンドン交通局(TfL)は10月31日、ロンドンの大気汚染対策「超低排出区域(ULEZ)」を8月末に市内全域に拡大して以来、拡大の対象地域となったロンドン郊外で排ガス基準を満たす車両の割合が大きく増えたと明らかにした。カーン市長は、区域の拡大に効果があったと強調している。
TfLによると、ロンドン郊外で走行する排ガス基準を満たした車両の割合は9月末時点で95.2%。この割合は2017年に44%、22年5月に拡大の協議が始まった時点で85%、拡大前の今年6月では90.9%だった。基準を満たさない車両は、22年5月に比べて1日当たり平均4万9,000台減少したことになる。ロンドン全域では、基準を満たす車両の割合は95%と、17年の39%から大幅に上昇している。
一方、基準に対応しない車両の廃車に対する補助金を申請して承認された件数は、これまでに3万7,200件を超え、総額1億2,100万ポンドが支給された。TfLは9月26日から、基準に対応しない車両で走行したドライバーに罰金を科している。9月末までの5日間で罰金を科されたドライバーは、計1万3,480人だった。
カーン市長は「区域拡大の決定は困難だったが、1カ月ですでに効果が表れている」と指摘し、ULEZがロンドン市民の生活と健康に大きな違いをもたらすと述べた。同市長は、拡大から6カ月後と1年後の効果についても分析結果を公表すると約束している。[環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。