英国の金融メトロバンクは8日、3億2,500万ポンドの資本調達で投資家と合意したと発表した。6億ポンドの負債借り換えでも合意に達した。これを受け、先に経営不振が報じられた同行の株価は、9日朝の時点で10%上昇した。
3億2,500万ポンドのうち1億5,000万ポンドは新株発行で、残り1億7,500万ポンドは新規社債でそれぞれ賄う。新株は、同行の筆頭株主であるコロンビアの富豪ハイメ・ギリンスキ氏の投資会社スパルディー(Spaldy)インベストメンツが1億200万ポンド相当を引き受ける。これにより同社の出資比率は現在の9%から53%に拡大し、支配株主となる。
メトロバンクは、住宅ローンポートフォリオ最大30億ポンドの売却についても協議を進めており、実現すればリスクアセット(RWA)を10億ポンド削減できる。
メトロバンクは2010年に設立され、既存の大手行に対抗する「チャレンジャー銀行」として注目を浴びた。16年には上場を果たしたものの、19年に会計上のミスが発覚したこともあり、採算性の維持に苦慮している。今年9月には、金融当局が住宅ローン事業の資本基準引き下げ申請を却下。同行の株価はここ数週間で約50%落ち込んでいた。
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