英国のスナク首相は4日、イングランド北部とロンドンを結ぶ高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」計画のうち、第2期区間であるバーミンガム―マンチェスター区間の敷設を中止すると発表した。コスト高騰とプロジェクトの遅延を受けた判断。中止により浮いた360億ポンドは、イングランド北部と中部を中心に全土の新たな交通プロジェクトに振り向ける。
スナク氏は今回、マンチェスターで開かれた与党・保守党の党大会で演説。第2区間の西側ルートであるバーミンガム―マンチェスター区間と、東側ルートのバーミンガム―イーストミッドランズ・パークウェイ区間の敷設を撤回した。
これに代わり、イングランド中部で50カ所の駅を結ぶ鉄道網や、高速道路の改修、リーズの路面電車導入などに投資。また、マンチェスター―リバプールの鉄道接続の改善に120億ポンドを投じる。
同氏は、こうした代替プロジェクトがHS2より早く結果を出し、イングランド北部にはるかに大きな成長をもたらすと説明。だが、HS2の恩恵を受けるはずだった地方自治体や企業は怒りの声を上げている。
HS2計画の第1期区間は、ロンドンとバーミンガムを結ぶもの。第2区間の東側ルートは当初、バーミンガムとリーズを結ぶ予定だったが、2021年にバーミンガム―イーストミッドランズ・パークウェイに短縮されていた。
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