英全国航空管制サービス(NATS)は6日、8月28日に航空管制システムの障害により航空便の大規模な混乱が生じた問題で報告書を公表し、原因を特定したことを明らかにした。NATSは、この障害は「1,500万分の1の確率」だったとして、再発防止策を実施したことを強調している。
報告書によると、原因は航空各社から受け取った飛行計画の中に名称が全く同じにもかかわらず、進路を示すウェイポイントが異なるものがあったことだった。このためシステムは、管制官に誤情報を伝えないように安全上の理由から自動的に作動を停止した。このシステムは稼働開始から5年で1,500万件以上の飛行計画を処理しているものの、今回のような障害は初めてで、エンジニアも解決に数時間を要したと説明した。
NATSは再発防止策を取ったとしており、マーチン・ロルフ最高経営責任者(CEO)もBBCの番組の中で、同じ問題が繰り返されることはないと強調した。
英国の航空業界団体エアラインズUKは、航空会社が負担した費用の補償を求めている。損害額について、国際航空運送協会(IATA)は合わせて最大1億ポンドに達すると見積もっている。
英民間航空局(CAA)はこの日、この問題について独自の調査に着手すると発表した。NATSが法的義務やライセンスの義務に反している可能性を示す証拠があれば、さらなる措置が必要か検討するとしている。
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