米商務省は17日、ドイツとカナダ、中国から輸入する缶用鋼板にダンピング(不当廉売)が認められたとの調査結果に基づき、制裁関税を課すとの予備的判断を発表した。鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップを含むドイツ企業の缶用鋼板製品には、7.02%の追加関税を課す。
カナダ企業の製品に対する追加税率は5.29%で、これには鉄鋼大手アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)傘下のアルセロール・ミタル・ドファスコ(Dofasco)も含まれる。中国からの輸入には、122.5%の反ダンピング関税を課す。
同省は、予備調査によりこれら3カ国のメーカーが自国市場より安い価格で輸出していることが判明したと説明。特に中国は、主要メーカーが調査に協力的でなかったことが不利な推測結果につながったほか、他のメーカーも中国政府からの自立を証明できなかったため追加税率が高いという。
なお、調査対象には英国やオランダ、トルコ、韓国、台湾も含まれていたが、ダンピングは認められないとの予備的判断に基づき制裁関税を課さなかった。
今回の調査は、米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスの申し立てを受けたもの。商務省は今後の調査を経て、中国については10月31日に、その他の国については来年1月8日ごろに最終判断を発表する。
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