英国内の空港を出発する航空便の3割超が欠航または遅延している――。英民間航空局(CAA)の最新統計から、こうした事実が明らかになった。欠航・遅延比率は昨年からは改善しているものの、コロナ禍前と比べると大幅に悪化したままで、航空便の乱れが定着している様子が浮き彫りとなっている。フィナンシャル・タイムズが11日伝えた。
CAAは国内26空港の発着便を対象に、遅延や欠航の統計をとっている。それによると、今年1~5月の出発便のうち、16分以上遅れるか欠航となった便の比率は32%で、前年同期の50%超からは改善した。ただ、コロナ禍前の2018年と19年の同期はそれぞれ25%、22%にとどまっていたため、これらと比べると大幅に悪化したままとなっている。
国内空港からの1~5月の出発便数は計7万8,149便と、19年同期の9万452便より少なく、空の混雑は改善している。コロナ規制が解除された直後の空港や航空会社の人員不足も、最近はおおむね解消している。それにもかかわらず、コロナ禍前に比べて欠航・遅延状況が悪化している背景には、ロシアのウクライナ侵攻による航路の変更や、欧州の航空管制官のストライキ、悪天候の影響があるとみられている。
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