ドイツの産銅大手アウルビスは4日、ハンブルク工場のアノード炉を水素対応が可能なものに転換する計画を明らかにした。投資額は4,000万ユーロ。炉の燃料を天然ガスから水素に完全に切り替えると、二酸化炭素(CO2)の排出量を年間約5,000トン削減することが可能となる。
ハンブルク工場は2024年春に定期点検のために稼働を一時停止する予定で、切り替えはこれに合わせて行う。新たな炉は効率が向上し、天然ガスで稼働する場合でもガスの使用量を30%ほど減らすことができる。これにより、CO2排出量を年間1,200トン近く削減できる見通しだ。
アウルビスは50年までに、生産活動におけるCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げる。ハンブルク工場では21年5月、天然ガスの代わりに水素を使って銅アノードを生産する実証試験を成功させた。
同社は、主要製品である銅カソードの生産におけるカーボンフットプリントを13年比で36%削減している。こうしたことから、カーボンニュートラル目標の達成時期を大きく前倒しできるとの見通しを示している。[環境ニュース]
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