ロンドンのカーン市長は4日、低排出車への買い替え促進に向けた廃車補助金制度の対象をロンドン全域に拡大すると発表した。大気汚染対策「超低排出区域(ULEZ)」の対象区域拡大に伴う措置で、8月21日から乗用車1台当たり最大2,000ポンドを支給する。
ULEZでは、欧州連合(EU)の排ガス基準「ユーロ4」に未対応のガソリン車や、「ユーロ6」に未対応のディーゼル車には、1日当たり12.5ポンドの特別通行料が課される。廃車補助金は、こうした車両を廃車にして低排出車に買い替える際に支給されるもので、今後は市内全域の住民が乗用車1台当たり最大2,000ポンドを申請できる。
市内の零細企業や個人事業主は小型商用車1台当たり最大7,000ポンドを、3台を上限に申請できる。小型商用車向けの補助金は、従来の1台当たり5,000ポンドから増額されている。
カーン市長は、補助金制度の拡大に伴う費用が5,000万ポンドとなると見込んでいる。これにより、ロンドン市の廃車補助金制度への拠出額は計1億6,000万ポンドとなる。
同市長は「ULEZ拡大は困難な決断だったが、実行する決意に変わりはない」とした上で、「ロンドン市民が誰1人取り残されないよう支援する」と話している。
ULEZは2019年4月に市中心部で導入され、21年10月には北環状線および南環状線の内側に拡大。8月29日からは市内全域が対象となる。五つの自治体がこれを違法とする訴えを起こしていたが、7月に棄却され、対象区域は予定通り拡大されることになった。[環境ニュース]
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