英中銀イングランド銀行は3日、2日に終了した金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.25ポイント引き上げ5.25%とすることを決めたと発表した。利上げは14会合連続。上げ幅は前回の0.5ポイントから縮小し、市場の予想通りだった。中銀は、インフレを抑えるため金利を高めに維持すると表明している。
議事録によると、金融政策委員9人のうち6人が0.25ポイントの利上げを支持。2人は0.5ポイントの引き上げを、1人は据え置きをそれぞれ主張した。
中銀のベイリー総裁は「インフレを目標の2%まで確実に下げる必要がある」と強調。今後数年間のインフレは、雇用市場と賃金の動向に大きく左右されるが、民間部門の賃金がここ数カ月で予想以上に上昇していると指摘した。
国内の6月のインフレ率は7.9%と、5月の8.7%から低下し、中銀の予想を下回った。中銀は、エネルギー価格と食品価格の低下により年内には5%程度になると見ているが、金利がさらに上昇しても目標の2%まで低下するのは2025年第2四半期(4~6月)になると予想する。
一方、経済は当初の懸念に比べて強い耐性を示しているが、借入コストの上昇が経済活動にも影響を与え始めたと指摘。国内総生産(GDP)成長率は当面、0.2%程度で安定的に推移して景気後退は回避するものの、金利上昇の影響で成長が弱まるとの見通しを示した。
中銀は今後の金融政策について、「持続的にインフレ圧力が高まる証拠が認められれば、さらなる引き締めも必要」とあらためて示すとともに、「インフレ率を2%に引き下げるため、金利を十分な期間にわたり制約的にする」として、長期的に金融引き締めを維持する考えを表明した。
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