フランスのルメール経済・財務・経済デジタル相は7月29~31日、中国を訪問し、定例の「仏中ハイレベル経済金融対話」に出席した。29日には北京で同国の何立峰副首相と会談。31日には深センで中国の電池・自動車大手BYD(比亜迪)などの企業代表者らと面会した。
仏中ハイレベル経済金融対話が対面で行われるのは、コロナ禍以降で初めて。中国政府によると、何氏は「中国はフランスとの政策対話および実務面での協力を強化するとともに、国際・多国間問題の調整にさらに努め、仏中の包括的戦略パートナーシップを新たな段階に押し上げる準備がある」とコメントした。ルメール氏も、中国との経済金融関係を強化し、2国間関係を進展させる意欲を示した。
欧州連合(EU)と中国の間では、貿易やロシアのウクライナ侵攻などを巡り緊張が高まっているが、EU政策専門サイトのユーラクティブによると、何氏は記者会見で「フランスがEU・中国間の友好的協力ムードの安定化を促してくれることを期待する」と話した。
一方、ルメール氏はEUが対中関係で「デリスキング(リスク低減)」の方針を打ち出していることについて、半導体など特定の分野で過度の依存を避ける必要があるという立場で、「中国がリスクという意味ではない」と説明。「対中関係を断つことには全面的に反対している」とし、「米国、欧州、中国の経済を互いに切り離すことは不可能だ」と話した。
中国の電気自動車(EV)メーカーが欧州市場に攻勢をかけていることについては、フランスの新たなEV補助がその対策になるとの考えを示した。仏政府は5月に公表したグリーン投資計画で、低排出に取り組むメーカーの製品のみをEV補助の対象とする方針を打ち出しており、石炭火力発電に依存する中国のメーカーは対象外となる見通し。
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