ドイツの総合電機大手シーメンスは13日、国内で10億ユーロを投じる計画を発表した。南部エアランゲン(Erlangen)の拠点には、研究開発(R&D)・生産能力拡大に向け5億ユーロを投資。既存施設の近代化と拡張を進め、技術拠点を新設する。同社は6月、生産能力拡大に向け世界で20億ユーロを投じる計画を発表しており、ドイツへの投資もこの一環となる。
シーメンスは現在、エアランゲンでパワーエレクトロニクス分野の部品や工作機械制御装置を生産。新設する技術拠点では、先端技術を用いた持続可能な生産やR&D、企業や科学研究機関との提携に焦点を当てるほか、産業用メタバース(仮想空間)を活用する方針だ。投資計画は2029年までに完了する見込みで、生産能力は60%増強されるという。
今回の発表に合わせ現地を訪れたショルツ首相は、シーメンスの投資は技術革新や生産の拠点としてのドイツに対する強力なシグナルだと指摘。国全体のイノベーションの力を強化するものだとしている。
同社はドイツでこの他、南部フォルヒハイム(Forchheim)の半導体工場建設や、医療機器子会社シーメンス・ヘルシニアーズのエアランゲンの人材育成施設に投資する計画。国外では、スペインに1億6,000万ユーロを投じ拠点を新設するほか、米国、中国、シンガポールに投資する計画を明らかにしている。
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