ドイツ連邦議会(下院)は7日、液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設を促進する法案を369対300の賛成多数で可決した。同国は、ウクライナ危機を背景にロシア産ガスの供給が減ったことを受け、LNGの輸入拡大を急いでいるが、建設地の地方自治体や環境団体はこれに強く反対している。
ロイター通信によると、この法案が成立すれば、バルト海沿岸のムクラン港に浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)2基を建設する計画の承認が迅速化される見通し。これらのターミナルは、エネルギー企業ドイチェ・リガス(Regas)が運営を手がけ、容量は100億立方メートルとなる予定。2024年の稼働開始が見込まれている。
ただ、地元の自治体やメクレンブルクフォアポンメルン州、環境団体は、観光業や海洋生態系に打撃を及ぼすとして、この計画に強く反対している。
ドイツでは昨年12月以降に、北西部ウィルヘルムスハーフェン(Wilhelmshaven)と、北部ルブミン(Lubmin)、北部ハンブルク近郊のブルンスビュッテル(Brunsbuettel)の3港でFSEUが稼働を開始。現在はムクラン港のほか、北部シュターデ(Stade)港でもFSRUの建設計画が進んでいる。[環境ニュース]
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