ドイツの連邦裁判所は26日、自動車メーカーの排ガス不正問題を巡る集団訴訟で原告の主張を認め、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)に補償金の支払いを命じる判決を下した。今回の訴えはVWが対象だが、同社の高級車部門アウディやメルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)に対しても同様の訴訟が行われており、メーカー各社は多額の補償を強いられる可能性もある。
裁判所は今回、排ガス水準を操作するための「装置」を搭載した車両について、VWが所有者に購入価格の10~15%の補償金を支払うことを命じた。ただ、具体的にどのようなメカニズムやソフトがこうした装置に相当するかについては、地方裁判所に判断を委ねている。VWは補償を回避するためには、自社の装置が合法であることを証明する必要がある。
原告は訴訟で、車両に搭載されていた気温が一定の水準に達した場合に排ガス水準を操作する装置は車両の実際の排ガス状況を隠蔽(いんぺい)するために使われていたと主張。メーカー側はこれに対し、装置はモーターなどを保護するためのもので法には抵触していないと述べている。
今回の訴訟では、ドイツの地方裁判所は訴えを退けたが原告が上訴していた。3月には、欧州司法裁判所がメルセデス・ベンツのディーゼル車について、排ガス水準を欺くための装置を搭載した車両で何らかの損害が生じた場合は、これに対する補償の支払いを求める判断を下していた。[環境ニュース][EU規制]
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