鉄道交通労組EVGは5月31日、ドイツ鉄道(DB)の従業員による新たなストライキを示唆した。賃上げ交渉が決裂したためとしている。DBは同日、EVGが最新の提案を再び拒否したことから交渉を断念する考えを明らかにしている。
労組はDBの従業員18万人を代表して団体交渉を進めており、12%または月額650ユーロ以上の賃上げを求めてきた。DBはこれを受け、最も給与水準が低い従業員については12%の昇給を約束する一方、給与水準が中程度の従業員は10%、高水準の従業員は8%の昇給にとどめることを提案したが、受け入れられなかったという。
DBは今回、経営側は労組の要求を踏まえて修正案を提示してきたが、EVGの対応は柔軟性を欠いており、交渉を続ける意味が見いだせないと説明した。これに対しEVGは、話し合いが続いている限りは実力行使は行わないとして、交渉継続はDBにとって有益だと強調。一方で、交渉が打ち切られればストに踏み切ると述べている。
労使交渉は2カ月以上続いており、EVGは3月末と4月末にストを実施。5月にも追加ストを予定していたが、DB側が交渉の継続に応じたために中止した。[労務]
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