英国のスーパー大手アズダは30日、給油所の運営などを手がける同国の小売大手EGグループの英国およびアイルランド事業を買収すると発表した。取引額は22億7,000万ポンド。アズダはこれにより、給油所などで展開するコンビニエンスストア事業の拡大を加速させる。
買収資金は、米国の小売最大手ウォルマートを含むアズダの既存株主から約4億5,000万ポンドの追加出資を受けるほか、7億7,000万ポンドを借り入れる。アズダとEGはいずれも英資産家のイッサ兄弟とプライベートエクイティ(PE)企業TDRキャピタルが保有しており、これまでも統合に向けた動きが進んでいると報じられていた。
アズダは今後3年間で、EGとの事業統合に1億5,000万ポンド以上を投資する。統合により3年間で約1億ポンドのコスト削減が見込めるとしている。事業買収後のアズダの売上高は約300億ポンドに上り、従業員数は約16万6,000人に達する。
EGの共同創業者であるイッサ兄弟は、2020年にTDRキャピタルと共同でアズダを買収。その後、EGのコンビニエンスストア166店舗を「アズダ・オン・ザ・ムーブ」ブランドに転換してきた。今回の買収により、EGの英国とアイルランドの全店舗が同ブランドに統合されることになる。
アズダの3月末までの3カ月間の売上高は既存店ベースで前年同期比7.8%増加した。燃料を除く総売上高は8%増の50億ポンドとなっている。
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