広告で世界最大手の英WPPグループは29日、広告制作での人工知能(AI)活用に向け、米国の半導体大手エヌビディアと提携したと発表した。エヌビディアがWPP向けに開発したプラットフォームにより、生成AIを使って大量の広告コンテンツを迅速かつ効率的に制作する。
新たなプラットフォームは、3Dのデザインツールと、画像編集ソフトのアドビやゲッティイメージズなどのクリエーティブサプライチェーン(供給網)を結びつけるもの。例えば自動車広告であれば、実際の撮影は行わなくても、砂漠や雨の町など好みの背景に車両を重ねた3D画像を作成し、生成AIを利用してこれを動画や印刷媒体向けの広告に落とし込むことが可能となる。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、「7,000億ドル規模のデジタル広告業界も含め、世界のさまざまな産業が競ってAIを活用しようとしている」と述べた。
一方、WPPのマーク・リードCEOは、「生成AIは世界のマーケティングを脅威的なスピードで変革させている」と指摘。「エヌビディアとの提携により、当社はAIソリューションを通じた独自の競争力を獲得できる」としている。
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