インドの自動車大手タタ・モーターズ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)がイングランド南西部サマセット州に電気自動車(EV)用バッテリー工場を建設することが、ほぼ確定したもようだ。タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズのナタラジャン・チャンドラセカラン会長が近くロンドンを訪問し、スナク首相と共に正式発表する予定という。バッテリーの国内生産拡大に苦慮する英国にとって、朗報となりそうだ。消息筋の話を元に、BBC電子版が24日伝えた。
それによると、合意文書への署名はまだ行われていないが、交渉は既に妥結し、現在は正式発表の段取りが検討されている。
スペインも候補地に挙がっていたが、BBC電子版は先に、JLRが英政府からの補助や優遇措置を理由に、同国でプロジェクトを進める方針を固めたと伝えていた。建設予定地はサマセット州の「グラビティー・ビジネスパーク」内で、高速道路M5号線やブリッジウオーター(Bridgwater)湾に隣接する好立地だ。
総工費は数十億ポンドとされ、英政府は数億ポンドを補助するとしている。これには工場や周辺道路の建設費補助のほか、光熱費補助なども含まれる見通し。
英国は、EV化の促進に欠かせないバッテリーの生産拡大で、欧州連合(EU)などに後れを取っている。同国では1月、大規模バッテリー工場の建設を計画していた新興企業ブリティッシュボルト(Britishvolt)が破綻。国内でのバッテリー生産プロジェクトは、中国のエンビジョンAESCが日産自動車と共同で進めるイングランド北東部サンダーランドのギガファクトリー建設計画のみとなっている。[環境ニュース]
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